こんにちは、坂口です。
前回に引き続き、マンドリンの製作家を紹介していきたいと思います。
今回は海外製作家を紹介していきます。
海外製作家の製作したマンドリンは正直ほとんど弾いたことがないので、普通に紹介するだけになると思います。すいません!
弾いたことあるやつは出来る限り細かく音色など伝えられたらいいなと思います。
それではいきましょう~
知ってる人も多そうな製作者
カラーチェ
いわゆるボウルバックのマンドリンを演奏している方なら、一度はカラーチェの名前を耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。特にラファエレ・カラーチェは、楽器の製作に加えて演奏や作曲など幅広く活動したことで知られていますね。
楽器としては、マンドリン≒カラーチェくらいの認知度というか、「マンドリンといえばカラーチェだよね」みたいな感じでよく知られている気がします。エレキギターでいうギブソンやフェンダーみたいな立ち位置ですかね。デカくて重く、仕上げが雑で、絶妙に下手なデザインのインレイなど楽器としては「ん?」となる点もありますが、可愛げがあっていいんじゃないでしょうか。
僕自身も現在は、所属していた北大アウロラ所有のクラシコAを借りて使用しています。それ以外にもカラーチェは何本か弾いたことがありますが、イタリアマンドリンらしい快活で明るい音色がしますね。楽器自体が頑丈だからかは分かりませんが、パワフルに弾いてもしっかり対応してくれる感じで好きです。
ヴィナッチャ
ナポリ型のオールドとして有名なヴィナッチャですね。
工房自体はもう絶えてしまっているので新しい楽器を手に入れることはできませんが、かなりのユーザーがいるんじゃないでしょうか。
僕も数回弾いたことがありますが、いいやつもあるし悪いやつもあるな~と思いました。(当たり前ですが笑)
ちなみに、僕の所属していた北大アウロラには、装飾がゴリゴリに入れられたヴィナッチャのチェロがあります。噂によると世界に数本しかないとか。色々話を聞くと入手経路が複雑だったので、触れないでおきます。
特に書くことが無いので、ヴィナッチャ経験値を高めたら補筆しようと思います。
エンベルガー
こちらはローマ型のオールドとして有名なエンベルガーです。名前が強そうですね。
ヴィナッチャ同様に工房が絶えてしまっていますが、オールドの代表格として今でもユーザーは多いと思います。
エンベルガーやパスクアーレ・ペコラーロ(エンベルガー系列の製作者です)の楽器を弾いたことがありますが、割と芯がある感じだった気がします。
楽器の紹介をされたときに遠達性があることを強調されましたが、正直良く分かりませんでした。すいません。
あとはペコラーロはネックとボディの結合部分が極太でした。
イーストマン
フラットマンドリンのイメージが強いですが、ボウルバックのクラシックマンドリンも製作しています。価格帯としては高くても~20万くらいのイメージなので、始めたばかりの方などには特におすすめできるのかな、と思います。
イーストマン(アランフェス)は楽器ケースとして使ってる人が多いんじゃないでしょうか。アランフェスのマンドリンケースは僕も使っています。
ケースの中にクロスやらピックケースやらを詰め込みまくったらバックルがゆるゆるになってしまいました。バックルが小さい前のモデルの方が絶対にいいと思うんですが、僕だけでしょうか。
聞いたことがあるかもしれない製作家
マンドリンの製作家に興味がある方であれば知ってる人も多いかもしれません。
ジェラ
フランスのオールドマンドリンとして有名ですね。
ジェラの特徴としては、表面板が二重構造になっているという点でしょうか。
一度だけ弾いたことがありますが、見た目がだいぶ尖っている割に音色はすごくピュアでいいな~と思いました。ギャップ萌えというやつですね。大体どんな楽器も何らかの特徴があると思いますが、ジェラは凄く純朴な感じというか、クセがないのが特徴かなと思いました。
エジルド
こちらもフランスのオールドマンドリンとして有名です。
絃楽器のイグチさんが札幌に来た際にエジルドを試奏させてもらいましたが、最高でしたね。見た目は正直だいぶボロボロで、一度叩き割った後にくっつけました!みたいな表面板でしたが、弾いた瞬間「あ、これはいいな」と感じたのはエジルドが初めてでした。
もし自分が次買うならこれかな~と思います。
ロレンツォ・リッピ
2022年に行われたARTE国際マンドリンコンクールにて、独奏部門の優勝者に景品としてロレンツォ・リッピの楽器が与えられていましたね。それで名前を聞いたという人も多いんじゃないでしょうか。
ヴィナッチャ、特にエンベルガーモデルを製作している製作家です。クラシックギターも作っていますね。僕が指導して頂いている吉住先生がリッピのマンドリン・クラシックギターを使っているので、先生のブログを読んでもらった方がいいかもしれないです。
知ってる人が少なそうな海外の制作者
こちらはあんまり知ってる人が少なそうな海外製作家になります。
フェデリコ・ガブリエッリ
ヴィナッチャ、エンベルガーモデルの楽器を扱うイタリアの製作家です。製作者のサイトを眺めてみると、上記モデル以外にもバロックマンドリンや、弦が12本6コースのマンドリンなども製作しているみたいです。是非弾いてみたいですね。
また次に紹介する、同じくイタリアの製作家マルティーノ・クインタヴァッラと共同で楽器を作ったりしているみたいです。
マルティーノ・クインタヴァッラ
何より特徴的なのが、DF(デミフラット)モデルじゃないでしょうか?
ボディの背面部が薄く、立奏に向いた楽器らしいです。興味のある方は製作家のHPを見てみてください。(画像を引用できないので…)DFモデル以外にも特徴的なマンドリンを作っているみたいです。
ボディが薄くなることによって音色がどう変わるのかなど気になりますが、演奏動画を見る限り悪くなさそうですね。
アウロラもお世話になっているフレット楽器ヤマサキさんで、先に紹介したフェデリコ・ガブリエッリとの共同で製作したDFモデルを取り扱っているそうなので、もし機会があれば試奏してみたいです。
ブライアン・N.・ディーン
立奏といえば、フランスにジュリアン・マルティノという天才マンドリニストがいますが、彼が使っている楽器はブライアン・N.・ディーン(Brian N. Dean)が製作したものですね。
フランスのマンドリン事情が分かりませんが、フランスの有名そうな奏者が大抵使っているイメージがあります。日本でいう落合的なポジションの製作家なんでしょうか。
ただ製作者はカナダに住んでるっぽいんですよね。謎です。
製作家のぺージに作られた楽器が紹介されていますが、マジでかっこいいなと思います。
一見するとアコースティックギターみたいな形のマンドリンを作ってたりもするので
この楽器を見るためにカナダに行ってもいいくらい好きです。
是非弾いてみたいですね。
ジュリアン・マルティノはなぜ立奏できるのか?という疑問について、「どうせ楽器がなんか特殊なやつなんでしょ、おつおつ」とか思ってたらしっかりクラシコAで立奏してる動画があったので、言い訳できませんでした。
アリック・カーマン
アリック・カーマン(Arik Kerman)の楽器は、アヴィ・アヴィタルやジェイコブ・ルーヴェンなど、イスラエルのマンドリン奏者によく使用されているイメージがあります。
特徴的なのは、やはりボディがフラットバックであるという点と、ボディの方にある装飾ですかね。楽器としての美しさはトップクラスだと思います。
動画で確認する限りだと、やはりフラットバック特有の渇いた音、ころころした感じがあるように聞こえますね。
フラットバックだと滑らなそうでいいな~と思います。
番外編
番外編です。
ドイツマンドリン
皆さんドイツマンドリンは知っていますか?マンドリニストの柴田先生が演奏されている楽器ですね。日本でよく見る一般的なマンドリンよりもボディが丸く、柔らかい音色が特徴的なマンドリンです。
ですがドイツマンドリンの製作家ってどれくらい知ってますかね。あんまり知らないんじゃないでしょうか。
このサイトにドイツマンドリンの製作家が列挙されていたので、紹介しておきます。
興味のある人は見てみるといいかもしれないです!
(余談ですが、海外のマンドリン情報について調べる際には、Google等の検索エンジンの言語設定を変えて、知りたい国の言語で「マンドリン」と調べるといいですよ。いろいろ出てきます。)
エレキマンドリン
エレキマンドリンって憧れますよね。
まず紹介したいのがGodin(ゴダン)のマンドリンです。ピエゾピックアップを搭載したエレクトリックマンドリンでもあるので、爆音で弾けます。
もう製造中止になっているらしいので、ヤフオクとかに出てきたら速攻買いたいと思います。
あとはマンドリニストの堀さんモデルのエレキマンドリンもありますね。
ブルー基調のボディがかっこいいです。こっちはバチバチのエレキって感じですね。
堀さんのアルバム「Xanadu」で使用されています。
あとはエピフォン、フェンダーなどエレキギターのブランドからも昔は出てたみたいです。たまにメルカリに出品されていますよ。
おわりに
いかがでしたか?海外製作家によるマンドリンや、後半はあまり関係ないものまで紹介してしまいました。
周りで誰も使っていない製作家の楽器を使ったりしてイキりたいですね。
是非参考にしてみてください。