坂口です。
マンドリンって独学するの難しくないですか?ピアノやギターなどは調べれば多くの練習方法が出てきますが、マンドリンに関しては練習方法に関する情報がほとんど無いですよね。
特に【マンドリンを始めたての初心者の方】などは、
「先輩に聞くくらいしか練習方法を知る機会がない!」
と困ってる人も多いんじゃないでしょうか。
なのでこの記事では、
◇マンドリンを始めたての初心者の方
◇マンドリンの練習方法を知りたい方
に向けて、【ガチで成長する練習方法】を解説します。10,000文字以上書いているので、割と参考になると思います。
今回の記事は右手編ですが、そのうち左手編も書きます。
なお、この記事ではクラシックマンドリン(ボウルバックのマンドリン)奏者を対象として記事を執筆しています。
フラットマンドリンに関しては弾いたことはないので、もしフラットマンドリン奏者の方が読んでくださっている場合は、「ほーん、クラシックはこんな感じでやるのね」くらいに思ってください。(同じマンドリンでも細かいテクニックや必要とされているポイントは全然違うと思うので)
余談ですが、YouTubeで「マンドリン 弾き方」とかで検索しても、特にクラシックマンドリンの場合ほとんどまともな情報が出てこない(マンドリンを弾けないのに解説している人とかもいる)ので、参考にしなくていい気がします。英語とかドイツ語とかだとマシな動画が出てきます。
それでは書いていきます。
はじめに
まずは練習の心得的なことを書いていきます。最初からこれらの意識付けを徹底しておくと、効率よく上達できます。内容としては以下の通りです。
自分自身「これを最初から理解しておけばよかった…」と思っていることも書いているので、初心者の方は特に意識して読んでみてください。
とりあえず弾きまくろう
最初に言ってしまうと、ここに書いていることを全部意識しようとしなくていいです。
初心者はとりあえず弾きまくりましょう。
楽器練習や勉強、スポーツなどで「量より質」と言われますが、個人的には
“良”質は”量”を重ねないと分からない
と思っています。(ちょっと上手いこと言ってないですか?違うか)
とりあえず、弾きまくらないと
その練習の質が”良い”のか”悪い”のかそもそも分からない
ので、がむしゃらに練習してみましょう。僕もマンドリンを始めて2か月くらいの間、ドレミファソラシドだけを毎日4時間くらい弾いてました。アホですね~
絶対に”ゆっくりやる練習”を取り入れること
全部意識しようとしなくていいとは言いましたが、これだけは意識しましょう。
“ゆっくるやる練習”の重要性は、どの業界でもよく言われますね。
ここで伝えたいのは「普通のテンポで練習するな!」「初心者は常にゆっくり練習しろ!」
とかいうことではなく、必ず
“ゆっくりやる練習”を普段の練習に取り入れてほしい
ということです。
初心者の方で、特にやる気があったり上達意欲が高い人は、”ゆっくりやる練習”をおざなりにしやすいんですよね。(僕も最初は「ゆっくり練習なんて意味あるのか?」とか思ってました)
「とにかく早く弾けるようになりたい!」という考えから、曲を練習する際も常に原曲のテンポに合わせて無理やり練習する、という人も多いと思います。
しかし、”ゆっくりやる練習”には、以下に示すようなメリットがあります。
- ミスに向き合う時間が増える
→ゆっくり練習することで、自分のミスに向き合う時間が増えます。技術的な話でいえば、自分のミスを一つ一つ改善していくのが上達の要となるので、ミスに対して向き合うことができれば上達の第一歩を進めます。 - 演奏上、意識するべきポイントを無意識化に落とし込める
→楽器を弾く際には「意識するべきポイント」って山ほどあるんですよね。それらを演奏動作上、無意識化で行えるようにすることが上手くなる秘訣です。ここら辺はめちゃくちゃ重要なので別の記事で詳しく書きます。 - 曲についての発見がある
→ゆっくり弾いてみると、「あれ?このメロディーってこんな綺麗だったんだ」みたいな発見があります。(これはガチ)最初はテクニックばかりに意識がいってしまいますが、曲の美しさや面白さを発見するきっかけにもなるので、ゆっくりやってみるといいですよ。
他にもあるんですが、とりあえず言いたいのは
“ゆっくりやる練習”には、やれと言われるだけの意味がある
ので、絶対にやりましょう。
普段の練習の中に取り入れていない人は、取り入れるだけでまずはOKです。
「”ゆっくりやる練習”でどんなことが改善できるのか?」ということを意識することから始めましょう。
無理をするな
がむしゃらに練習しろとはいいましたが、無理はしなくていいです。
特に肉体的に無理が来た場合(腰が痛い、指が痛いなど)、休むことも大切です。
精神的に無理が来た場合(練習したくない、めんどくさい)も、練習の質が低下してしまうので、あまりやる必要はないかなと思います。
ただ一応伝えておくと、どの楽器でもトップレベルに上手い方々の多くは
「無理して練習しまくっている時期」がある気がします。
僕は別に上手くはないですが、左手の指が朝起きたらガチガチに固まって痛くて伸ばせないみたいな時期もありました。下手なりにそれくらい練習して、今になってようやく「マンドリン」の「マ」の字くらいは分かってきたかな~という感じです。
根性論的ですが、そういった「無理して練習する」という経験もあってもいいのかな~とは思います。(”無理が良くない”ということを身をもって体感する、という意味で)
まあ無理して身体を壊して楽器が弾けなくなってしまったら元も子もないので、身体がぶっ壊れるギリギリまで練習すると一番うまくなるんじゃないでしょうか。(知らんけど)
そんなところで心得の解説は終わります。
次に実際に右手のテクニックについて話します。
ピッキング
マンドリンの一番基本となる演奏方法はピッキングですね。
このセクションでは、初心者の方に向けてピッキングの練習方法や注意点を解説します。
よくある「ピックがずれる」という問題に対しては以下の記事で解説しているので、もし悩んでいる人がいたら参考にしてみてください。
常に爆音で弾け
めちゃくちゃ極端なことを言っていますが、かなり大事です。
初心者の方は、特に基礎練習の際に「必ず大きな音で弾く」ことを意識しましょう。
(合奏練習で常に爆音で弾くのはうるさいのでやめましょう)
理由としては以下の通りです。
- 初心者の方が考える以上にマンドリンのフォルテは大きい
→経験上、「大きな音で弾いてみて~」と初心者の方に弾かせてみると、大体メゾフォルテ、もしくはメゾピアノくらいの音量に留まっていることが多いです。デシベルとかで測ったことはないですが、感覚的にフォルテは「いや、こいつ声でかいな」っていう人の声量くらいある気がします。 - 小さい音でしか弾けない奏者になってしまうことを防ぐ
→初心者の方や楽器を始めたての段階で「小さい音でしか練習しない」ことに慣れてしまうと、あとあと大きな音を出せなくなります。(マジ)
これにはちゃんと理由があります。
実は小さい音を出すよりも大きい音を出す場合の方が、より細かい力の入れ方・コントロール能力が必要になるんですが、小さい音でしか練習しないとそれらの能力がなかなか身につかないんですよね。
なので最初から大きい音で弾くことに慣れておきましょう。 - 楽器を鳴りやすくするため
→小さい音しか出さないと楽器が全然鳴らなくなります。細かく言うと楽器の鳴らし方も大事なんですが、とりあえずデカい音で弾いていれば楽器が鳴るようになってくるので、爆音で弾きましょう。
長々と書きましたが、要するに
基準となる音が小さいと、相対的に音量を出しにくくなる
ということです。この基準になる音は大体初心者の時期に決まってしまう気がするので、初心者の方は、特に始めたての段階からめちゃくちゃデカい音を鳴らすように意識しましょう。
アップピッキングとダウンピッキング
基本的なピッキングのやり方としては、二種類あります。
地面の方向に向かって下ろすようにピッキングをするダウンピッキングと、先ほどとは反対に空の方向に向かって上げるようにピッキングをするアップピッキングです。
初心者の方は特に、
アップピッキングの際に音をしっかり鳴らす
ことを意識して練習しましょう。
より具体的に言うと、マンドリンは2本の弦が1コースとなっていますが、
アップピッキングの際に下の弦しか弾けていないケースが多く見られるので、ダウン・アップ両方でしっかり2本とも弾けるように意識しましょう。
※ダウンピッキング・アップピッキングの用途をそれぞれ強拍・弱拍という考え方に当てはめて、アップの際は1本の弦のみ弾く、という方法もあります。(確か斜行奏法っていった気がします。)意識してこのように弾くことも多々あります。しかし、初心者のうちは「アップピッキングで2本弾いたつもりが1本しか弾けていない」ということが起こりやすいので、最初は2本とも弾けるように練習しておくのもいいのかな~と思います。慣れてきたらアップで1本だけ弾く斜行奏法もできるようになるといいですね。
【ピッキング】練習方法の例
◆単音でダイナミクス(音量)の幅を付けてみる
上記の楽譜は開放弦ですが、別に好きな音を出していいです。
ただ、必ず4つのコース(G,D,A,E)でそれぞれ弾いてみて、上記のようにダイナミクスの変化をつける練習をしてみてください。
この練習の目的としては
自分なりのダイナミクスの基準を作っていく
というところにあります。
音楽のムカつくところというか、僕が始めたころにムカついていたことが
「メゾフォルテって具体的にどれくらいの音量なの?」
ってところなんですよね。つまり、それぞれの音量に基準が決まってない、ってところです。
この場合、自分なりのダイナミクスの基準を作っていく必要があるため、こういった練習は割と有効になります。
特にダイナミクスの変化は自分だけじゃなく他人にも判断される要素になってくるので、主観的に「結構音量変えたな~」と思っていても、実際はそこまで変わっていないケースがあるんですね。
なので練習時にスマホとかで録音してみて、はっきりと変わっているかどうかを確認できるといいですよ~
録音するときは、スマホを自分の近くに置いて録音したり、数メートル離してお客さんの聞こえ方を想定して録音したり、と色々変化をつけてやってみましょう。
録音して分かるレベルまでダイナミクスの変化をつける
と、実際に人前で弾いたときにもダイナミクスの変化が伝わりやすくなると思います。
◆ダウン、アップの感覚を揃える
先ほどの楽譜をダウン・アップで弾いてみましょう。(逆さまのUみたいなやつがダウンで、とんがった記号がアップを意味しています。)
この時に、ダウン・アップの音質、音量、力のかけ方といった様々な要素の感覚を揃えてみることを意識してやってみてください。
ありがちなのは、
・アップの際に弦に引っかかるような感覚がある
・ダウンアップの音量が違う
・アップでピックがずれる
といったことですかね。最初はここら辺に気を付けてみるといいですよ。
ダウンアップのどちらでも適切に音量を調整できるようになりましょう。
意識するべきポイント・注意点
◆右手がブリッジ付近に落ちないようにする
ほぼ100%と言っていいほどありがちだと思います。(マンドリンを始めた人は誰しも経験するんじゃないですかね。僕もなりました)
初心者の方がピッキングをする際に、だんだんとブリッジの方に手首が落ちてきてしまう、ということが多いです。
意図的に弾く場所を変えるのは大丈夫ですが、無意識のうちに弾いている場所がだんだん変わってしまう、といったことは避けましょう。
ちなみに、デフォルトで僕が普段弾いている位置は、サウンドホールの少しネック寄りの位置です。
デフォルトで弾く位置はその人の音色の好みによって変わりますが、楽曲中の音色の幅を持たせる、楽器の鳴らしやすさを確保する、という意味で僕は上記の位置で弾いています。
◆徐々に音が小さくならないようにする
始めたての時は楽器に慣れていないこともあって、気づいたらめちゃくちゃ小さい音で練習している、ということもありがちです。
先ほども伝えたように、とりあえず自主練習の際は爆音で練習するようにしましょう。
◆姿勢を意識する
右手を見ることに集中しすぎてとんでもない猫背になっていたり、右手が力んでしまい右肩が前にでている、といったように、姿勢に関する問題はかなりあります。
僕は姿勢を気にせず練習していたせいで、骨格がずれてしまいました。(右肩が左肩よりも若干前に出ています)
腰や背中、肩など、マンドリンを弾く際には背面にトラブルを抱えやすくなってしまいます。それを避けるためにも、楽な姿勢を意識して練習しましょう。僕はもう手遅れなので、初心者の皆さんはこうならないように気を付けてください。
移弦
このセクションでは、初心者の方に向けて移弦の練習方法や注意点を解説します。
移弦って何?
移弦とは、字面のとおり「弦を移動する」ということです。
具体的には、「ピッキングする弦を変える動作」ですね。
「そんなことにすら名前があるのか?」と思われるかもしれませんが、マンドリン含めた弦楽器ではめちゃくちゃ重要な概念なので、知っておくと絶対に役に立ちます。
移弦について知る
「ただピッキングする弦を変えるだけでしょ?ちょれ~」という人、ちょっと待ってほしいですね。
移弦についてもう少し理解を深めてみましょう。
移弦の中で必ず出てくるのが、
- アウトサイドピッキング
- インサイドピッキング
というワードです。正確に言うとピッキングの種類なんですが、便宜上ここでは「移弦の種類」ということで話を進めます。
◆アウトサイドピッキング
アウトサイドピッキングは、以下の通りです。楽譜もあるので弾いてみましょう。
言語化しづらいですが、
ダウン・アップピッキングの軌道に沿って移弦を行えるようなピッキング
をアウトサイドピッキングと言います。
簡単に言うと弦の外側から移弦できるやり方です。
これはやりやすいタイプの移弦です。ちょっと練習すればなんとなくできるようになると思います。
◆インサイドピッキング
次にインサイドピッキングは以下の通りです。これも実際に弾いてみましょう。
どうですかね?めちゃくちゃやりづらいですよね。
これが曲者となるインサイドピッキングです。
言語化してまとめると、
ダウン・アップピッキングの軌道に反した移弦を行う必要のあるピッキング
がインサイドピッキングです。簡単に言うと弦の内側から移弦するピッキングですね。
インサイドがアウトサイドと違うのは、
移弦の動作が一つ多い
という点にあります。
アウトサイドピッキングでは、ピッキングをする動作と移弦をする動作が同時に行えるので、動作の数自体は一つで済みます。
しかしインサイドピッキングの場合、ピッキングをする動作と移弦をする動作をそれぞれ別に行う必要があるので、動作が一つ増えてめちゃくちゃやりにくくなるんですよね。
やってみると分かるように、
【弦を弾く】→【元の位置に戻す】→【弦を弾く】
というクソムーブが突然入ってくるので難しいんですね。
「なんか知らんけど弾けない」ときの原因ランキングTOP3に食い込んでくるのが、この”移弦”という概念にあるので、ぜひ上記の内容を理解してみてください。
【移弦】練習方法の例
◆アウトサイドピッキングの練習
まずはアウトサイドだけにフォーカスして練習してみましょう。
上記の楽譜をダウン→アップ→ダウン→アップの順番で弾いてみてください。
慣れてきたら楽譜通りだけではなく、G線⇔A線といったように1弦またぎで練習してみたりするといいですよ~
(これに限らず、基礎練習はいろいろアレンジしながらやってみるといいです)
◆インサイドピッキングの練習
次はインサイドにフォーカスして練習してみましょう。
先ほどの楽譜をダウンアップ逆にして、アップ→ダウン→アップ→ダウンの順番で弾いてみましょう。
かなり難しいので、まずはゆっくり正確にピッキングできるよう意識するといいです。
あとは難しすぎてイライラしてくると思うので、イライラしたらやめましょう。
◆複合的な移弦練習
アウトサイド、インサイドが入り混じった様々なパターンで練習しましょう。
4コースあるので、1弦ずつ弾くとすれば24パターン(4!)できます。
また1拍あたりのダウンアップの順番は2の4乗なので16パターンありますね。
ということは384パターンの練習ができます。おめでとうございます。
上記の楽譜はほんの一部ですが、適当に思いついたパターンで毎日やるといいですよ。
あと基本的にダウンアップを交互にやるパターンだけで十分です。余裕があったらアップダウンを交互にしてやってみましょう。384パターンもやる意味ないです。
目標
移弦練習の目標としてはこんな感じです。
◆目標1:右手を見ながら正確に移弦できるようになろう
まずは自分の右手をしっかり見て、狙った弦へと正確に移弦できるようになりましょう。
初心者の方で「見ながらじゃないと移弦できない!」という人が多いと思いますが、最初はみんなそうです。
目をつぶっても字を書ける、みたいな感じで練習していくうちに距離感が掴めて、見ないでも弾けるようになります。最初はバチバチに見ながらやってみましょう。
◆目標2:右手を見ないでも正確に移弦できるようになろう
右手を見ながら正確に移弦できるようになったら、今度は見ないでやってみましょう。
最初は失敗してしまうことも多いと思いますが、だんだん慣れてきます。こればっかりはマジで慣れなので、「できないかも…」とか思わないで適当にやってたら出来るようになります。
◆目標3:スピードを徐々に上げよう
最初はめちゃくちゃゆっくり練習すればいいです。できるようになったら、少しテンポを上げてみましょう。
この練習以外にも使えますが、テンポの上げ方はこんな感じにするといいですよ。
♩=40(弾ける) → ♩=50(弾けない) →♩=45(さっきより遅いからなんか弾ける)
→♩= 55(弾けない)→♩=50(さっきより遅いからなんか弾ける)→ …
上げて下げてまた上げて…みたいに練習すればスピードに自分の感覚が慣れやすいので、徐々に上げる方法以外にもこのやり方はオススメです。
意識するべきポイント・注意点
◆まずはピッキング練習の注意点を意識
ピッキングの練習時に気を付けるべき注意点は先ほど説明しましたが、いざピッキングを使って様々な動作を行うとなると、途端に全部忘れてしまいがちです。
まずはピッキング練習の注意点を完璧に抑えたまま、移弦動作を行えるように練習しましょう。
◆動作の無駄をなくす
上手い人は楽器演奏のあらゆる動作に”無駄”がないです。
移弦に限って言えば、
・移弦の軌道がブレていないか?
・移弦動作が大きすぎないか?
・余計な力が入っていないか?
などなど、練習時に自分の動きを確認してみると、様々な”無駄”な要素が見つかるはずです。
これは移弦以外にもすべての動作に言えますが、とにかく”無駄”をなくした演奏技術を身に着けるように意識するといいですよ~
◆ダイナミクスや音色に幅を付ける
ある程度できるようになってきたら、ダイナミクスや音量に変化を加えながら移弦練習を行ってみましょう。実際の演奏では、単純動作として移弦をするだけではなく、音量や音色を変化させながら移弦を行うといった複合動作になるので、”使える”テクニックに昇華するためにこういった意識も重要です。
移弦に関してはこんな感じですかね。次はみなさんが特に知りたいであろうトレモロの練習方法です。
トレモロ
トレモロについては特に説明しなくても分かると思うので割愛します。
やり方は以下のぺージで解説してるので、「トレモロできないんだけど!」と悩んでいる方は読んでみてください。今のところこの教え方の成功率は100%です。(母数は5人くらい)
【トレモロ】練習方法の例
◆トレモロ中に移弦をしてみる
先ほどはピッキングでの移弦について解説しましたが、今度はトレモロしながら移弦してみましょう。
このときに、音がブツッと切れて移弦しないように意識してください。トレモロは音を持続させるためのテクニックなので、なるべく音と音の区切れ目が分からないように移弦しましょう。
また、トレモロの移弦の際は基本的に高速アウトサイドで移弦するのでOKです。わざわざ難しいインサイドピッキングで移弦する必要はないので、アウトサイドで移弦できるように微調整しながらトレモロしましょう。
◆トレモロのダイナミクス、音色を変化させる
表現の練習ですね。特にトレモロを使う場面では、何らかの旋律を弾いていることが非常によくあるので、自分が歌っているかのようにトレモロするためにも、ダイナミクスや音色を変化させながらトレモロをする練習をしておきましょう。
始めたての人やある程度弾いている方でも、平坦で抑揚のないトレモロをしている人はかなりいらっしゃるので、そこにこうした表現を入れてあげることでめちゃくちゃいい感じに聞こえます。オススメです。
◆トレモロの回数を変化させる
合奏の都合上、トレモロの回数を全員で統一する場面もあるので、トレモロの回数を変化させるための練習もしましょう。よく出るのは以下の六連符パターンです。
楽譜では1拍に6回のトレモロを入れていますが、これが1拍に3回だったり5回だったり9回だったり…
といったように、4つカウント以外のカウントでトレモロを刻むパターンがあります。
上記の六連符を三連符、五連符とかに変えてみて練習するといいですよ。
また僕個人の意見ですが、普通にトレモロしている場面でも常に回数を変化させる意識を持っているといいと思います。
トレモロの回数、密度は”気分の高揚度”や”楽曲の緊張度”に対応している部分もあると思うので、楽曲に合わせてトレモロの回数を変化させるとより表現上いいと思います。
僕の場合、盛り上がって「うおおおおお」って時はトレモロの回数をめちゃくちゃ入れますし、逆にしんみり消えるように終わるときは、トレモロの回数を減らして余韻を持たせるように演奏したりしますね。単純にダイナミクスの上下に合わせてトレモロの回数を上下させる方法なども、汎用性が高くてい気がします。
トレモロの回数や音量に関する詳しい説明は、以下の記事で行っています。
気になる方はこちらもぜひ読んでみてください。
目標
◆目標1:まずはリラックスしてトレモロできるようにする
トレモロは呼吸くらいなんの力もなくできるようになれるといいですね。
無限にトレモロできるくらい力を抜いてできるようになると、演奏中に疲れません。
「トレモロの際に力んでしまう!」という人は、リラックスしてで切るようになることを第一目標にしましょう。
◆目標2:トレモロの速度を上げる
目標としては、♩=80で32分音符のトレモロができれば十分だと思います。
大体♩=65~75くらいで32分音符が入るくらいのトレモロ速度が一般的だと思うので、徐々に上げていって最終的に♩=80で入るようになればもうOKです。
初心者にありがちな「♩=100でトレモロできるようになってやる!」みたいな脳筋練習はあまり意味ないのでやめましょう。ちなみに僕はやってました。
◆目標3:いろんなパターンでトレモロする
今まで説明した、【トレモロ+移弦】だったり、【ダイナミクス、音色】【回数】といった様々な要素を複合的に組み合わせてトレモロしてみましょう。
例えば、【1拍に6連符入れるトレモロを小さい音量で弾いてみる】【♩=80の早めのトレモロで移弦を正確にできるようにする】といった感じですね。
実際の楽曲ではこういった複合的なトレモロが用いられるので、想定されるパターンをとりあえずやっておくとすぐに弾けるようになります。
意識するべきポイント・注意点
◆”トレモロ”は”ピッキング”動作の連続版
ありがちなのが、トレモロとピッキングを別々の全く異なるテクニックのように捉えてしまうケースです。トレモロは結局ピッキングを連続して行っているだけなので、「トレモロの際にピックがずれる!」とか「トレモロの時に音質が変わってしまう!」という場合、そもそもピッキングに問題がある場合が多いです。(もちろんトレモロのやり方が悪い場合もあります)
なので、「なんかトレモロが上手くいかないな?」という時には、一旦トレモロ動作をめちゃくちゃゆっくりやってみる(つまり普通のピッキングを連続して行ってみる)ことで、上手くいかない原因がわかったりします。
◆余計な音を鳴らさない
僕も未だにできないんですが、やっぱりトレモロの時に余計な音を鳴らさないというのは大事なんですよね。プロの演奏でも余計な開放弦の音が鳴ってしまったりすることもよくあるので、完全に無くすというのはかなり難しいと思います。
ですが、初心者の方は「余計な音は鳴らさないぞ!」という意識を最初のうちに持っておくこと自体が大事だと思うので、ここは意識しておきましょう。
◆歌うことをイメージする
ぶっちゃけ楽器演奏の時は常にそう意識するべきなんですが、特にトレモロで演奏している場合は何らかの旋律を弾いていることが多いと思うので、「歌う」ことをイメージしながら演奏しましょう。
「自分が自然に歌うとしたら、ここの部分は少し大きめに歌うよね~」みたいな感覚をそのままトレモロに反映させられるといいですね。僕は未だにできないですが。
まとめ
今回の記事では、マンドリン初心者の方に向けて【ガチで成長する練習方法】を解説しました。
正直、初心者の方でこれだけの量の練習をやれる人ってそもそもほぼいないので、普通に書いてあることをこなすだけでめちゃくちゃ上達速度が速まります。
やればやるだけ上手くなるとは思いますが、何も考えずに練習するよりもここに書いてあることを意識しながら練習したほうが圧倒的に成長するので、ぜひ参考にしてみてください。(まだまだ意識することはありますが、10,000文字を超えそうなのでやめます。)
最後まで読んでいただきありがとうございました~