【マンドリン】知っておきたい中古楽器の選び方や注意点

【マンドリン】知っておきたい中古楽器の選び方や注意点

こんにちは。坂口です。

マンドリンを買おうとしている人の中で
「中古のマンドリンを買いたい!」
と考えている人はかなり多いですよね。

その中でも、マンドリン専門店ではなく、ヤフオクやメルカリを使用して中古楽器を入手しようと考えている人もいると思います。

この記事では、中古のクラシックマンドリンを買いたい方に向けて

  • 中古のマンドリンを買う際に気を付けるべき注意点
  • 中古で買うことのメリットやデメリット

など、中古楽器を買う際に知っておくと役立つポイントを解説します。

※この記事で説明している内容は、特にクラシックマンドリン(ボウルバック)に関する内容となります。ポピュラーミュージックに使用されるフラットマンドリンではないので注意してください。

はじめに

中古楽器の入手方法

中古でマンドリンを買う場合、だいたいこんな感じの入手方法があるかと思います。

①専門店で直接買う
②知人から譲ってもらう
③ヤフオクやメルカリなどを使用してネットで買う

特に〈①専門店で直接買う〉場合は、基本的にここに書かれていることはあまり気にしなくて大丈夫な場合が多いです。というのも、専門店で中古として売られている楽器は
調整されて演奏できる状態
で売られていることがほとんどなので、普通に買っても特に問題なく演奏できると思います。
(演奏できるような状態じゃない中古楽器を買わせようとしてくるなら、その店は二度と行かなくていいです。Googleマップで☆1をつけて帰りましょう)

注意するべきなのが、②知人から譲ってもらう〉〈③ヤフオクやメルカリなどを使用してネットで買うケースですね。

この場合、楽器として使い物にならないような状態のものだと知らずに譲ろうとする・売っていたりすることもありますし、最悪「いらない楽器を処分してお金稼げてラッキー!」みたいな感じで、悪意をもってはめ込みに来てる可能性もあります。

ネットで買うのはギャンブルに近い

はっきり言うと一番安心なのは専門店で買うことです。
ヤフオクやメルカリなど、ネットで中古楽器を買うのは正直ギャンブルに近いです。
ネットを使って購入する場合、激安でめちゃくちゃいい状態の楽器を買うことができたり、一方では高い金額を払ったのにボロボロの楽器が届く、といったようにほぼギャンブルみたいな楽器の買い方をせざるを得ないです。

専門店で調整済みの中古を買う場合、そこそこの値段はしますが、「楽器として演奏できる状態」が担保されているので安心です。ローリスクに中古マンドリンを買いたい人は、ギャンブルを避けて専門店で買いましょう。

それでもヤフオクやメルカリなどで
「俺はネットで買う方に賭けるぞ!」「私は絶対にいい楽器を引き当てる!」
という攻めた方は、この記事を読んで中古楽器で最低限注意するポイントなどをよく理解しておくと勝率が上がるのでオススメです。

それでは解説していきますー

中古のマンドリンを買う際に気を付けるべき注意点

ネックの接合部を見よう

まずはネックの接合部を見ましょう。
やばい状態の楽器は、ネックの接合部にヒビが入っています。
こういう楽器はまず避けたほうがいいです。

写真の楽器はヤバくないのでヒビは入ってません

ネックの接合部にヒビが入ってる楽器を持っていなかったので写真がないんですが、ヤフオクとかメルカリで見るからにボロいマンドリンを探してネックの接合部の写真を見てみましょう。ゴリゴリにヒビが入っていると思います。

お察しの通り、ネックの接合部にヒビが入っているマンドリンは、最悪ネックがもげます。
ネックがもげたら悲しいと思うので、ヒビが入っているやつはやめておきましょう。

表面板やリブに割れが無いか確認しよう

表面板が割れていたり、リブの接合部に明らかにヒビが入っていたりしないかを確認しましょう。
譲ってもらう楽器の場合、表面板をじっくり見たり、リブの上を軽くツツ―っと触ってやると割れがあるかどうか分かるのでやってみるといいと思います。
ヤフオクやメルカリを使って買う場合、画像をじっくり見るしかないです。

少しでも「あれ?これヒビじゃね?」みたいなのがあったら避けたほうがいいと思います。

あとめちゃくちゃ画質が悪いやつとかはリスク高いのでやめとくのが無難ですね。
悪質な出品者だと、リブがバキバキに割れているためリブの画像をそもそも載せていない、みたいなケースもあります。(ネックの件も同様です)
メルカリなど使う場合は「画像見せてください!」と催促してみましょう。「今出張でしばらく写真が撮れません…」とか言い出したら黒っぽいのでやめましょう。

ただ、クラAや大野のめっちゃいいやつなど、修理費込みで考えても安くなりそうなら買うのはありだと思います。そこは費用感と相談しましょう。

弦高は高すぎないか?

譲ってもらう場合は弾けば一発で分かるので弦高はそこまで気にしなくていいと思いますが、ネットで買う場合は必ず弦高はどのくらいか確認しましょう。

12フレットを見よう

たまに弦高が6~7㎜とかいう左手の筋トレになりそうな楽器が売られていますが、弦高が高すぎる場合ネックが反っている可能性がかなり高いので避けるべきですね。(ブリッジの位置がおかしいとかもありますが)

こちらも確認できる場合、「弦高はどのくらいですか?」と聞いてみるといいかもしれません。
「すいません、楽器のことはよく知らないので弦高とかは分からないです」とか言われるかもしれませんが、そういう出品者の場合は購入後にトラブルになる可能性もあるので避けたほうがいいと思います。大体ちゃんとした出品者なら弦高の測り方を調べて測ってくれるはずです。

ただ、弦高の測り方としては【弦の下部分とフレットのすき間】を測るんですが、あまり詳しくない方だと4弦(G線)とかの太さを込みにして弦高を測っている可能性があります。(さっき言った5~6㎜のイカつい弦高の楽器は、こういうケースもあります)

なので、指板の上に垂直に定規を当てた写真を催促するとかが一番安全ですね。

こんな感じ

適当な売り文句に騙されるな

特にネット(ヤフオク、メルカリ)で中古のマンドリンを購入する場合、良く分からない謎の売り文句が散見されます。
例えばこんな感じですね。

  • 昭和レトロ
  • 大正ロマン
  • ビンテージ
  • ジャパンビンテージ

これらのワードは全て【古い、ぼろい】という意味に変換して考えましょう。ジャパンがくっついたジャパンビンテージは【日本の古い、ぼろい】という意味になりますね。昭和レトロとか大正ロマンとかはそもそも意味がよく分からないですが、楽器が古くてぼろいことをそれっぽい感じで言い換えているだけです。

「ビンテージはいいんじゃないの?」と思う方もいると思いますが、業界的に中古のマンドリンは【ユーズド】【リユース】と呼ばれたり、特に希少な楽器は【オールド】と呼ばれたりします。
【ビンテージ】はエレキギターとかに使われてますが、マンドリンに対してはあんまり使わないので「マンドリンのことはよく知らないけどまあ適当にビンテージとか言っとけばいいっしょ!」みたいな販売者が使ってることが多いです。気を付けてください。

あとは

  • 激レア
  • 希少

といったワードはほぼ嘘なので覚えておきましょう。
あなたがもし激レアで希少な楽器を持っているとしたら、わざわざヤフオクやメルカリで売りますか?普通なら価値が分かる専門店とかに買い取ってもらいますよね。そういうことです。

また

  • 手工品
  • 高級
  • 「一閃」とか「水鏡」みたいな謎の熟語付きのタイトル

とかも気を付けましょう。
【手工品】は、ちゃんとした楽器に対してそういう表現もしているケースもあるので微妙ですが、割としょうもない楽器に対して【手工品】と書いてそれっぽく見せてるのがほとんどな気がします。
あとは【高級】ですね。本当に高級な楽器なら大体専門店に買い取ってもらいます。

謎の熟語に関しては、クラシックギター界隈に多い気がします。

【一閃】伝説の製作家○○による、珠玉の音色を鳴らす逸品【クラシックギター】

とかいうクソみたいなタイトルで売られていたら大体ゴミなので、マンドリンでも注意しましょう。
適当な熟語を付ければそれっぽく見られて売れる、とかいうテクニックだと思います。(ただ本当に楽器の名前として付けられているケースもあるので何とも言えないですが。大野政廣の銀鈴などですね。)

ネットで中古のマンドリンを買う際に確認できない部分

この項目では、ネットで買う際に確認できない部分を書いていきます。

楽器の状態

表面板の割れやネックの状態に気をつけろ、ということを書きましたが、ネットで買う場合楽器本体を実際に見ることはできないので、買ってみて届くまでどういった状態かは確認できないです。

あくまでも先に述べたポイントを画像で確認して、何も問題なさそうであれば〈楽器の状態が悪くない可能性が上がる〉というだけなので、実際に届いて割れがあった、ネックの状態が悪かった、といったことはザラにあります。

特にネックに関しては、「反り」は画像をみれば少しは見れば分かりますが、「ねじれ」に関しては画像だけじゃ判断しにくいです。
あくまでもネットで買う際には「賭け」に出ていることを忘れずに行きましょう。

ペグ等のギアの状態

ギア関連は触るまで分からないです。

画像で見るからに汚くても、ただ汚いだけで何も問題が無かったり、反対に綺麗なのにめちゃくちゃ硬くてそもそも調弦できない、ということもあります。

こればかりはどうしようもないので、ネットで中古を買う場合は「ペグの状態がいい感じでありますように」と毎晩祈っておきましょう。ゴミ拾いとかすると徳が積めるので、ペグの状態が良い楽器が届く確率があがるんじゃないですかね。

音色

絶対に分からないですね。個人的にYouTubeなどの動画で音色を紹介していたとしても絶対に分からないと思います。「動画でこういう音だから実際に弾いたらこういう感じなんだろうな~」とか想像するのもあまり意味がないのでオススメしません。

音色については、楽器以外にも奏者や環境など可変要素がありすぎるので、音色ベースで楽器を買いたい人はそもそもネットで買わないほうがいいと思います。安くいい楽器を買いたい(音色はそこまで気にしない)みたいな方がネットで買った方がいいんじゃないでしょうか。

【結論】中古のマンドリンをどうやって買えばいいのか?

リスクを避けたい人は専門店で買おう

楽器の状態が悪かったり、届いたがペグなどが故障していて使いものにならない、といったリスクを避けたい人は専門店で買いましょう。

専門店であれば実際に試奏できますし、楽器の状態はもちろん音色も良く分かります。

また万が一楽器の状態に不備があった際は、専門店でケアしてもらえるはずなので
「金は出すからノーリスクで買いたい!」という方には専門店での購入をオススメします。

リスクを避けてネットで買いたい人も専門店がオススメ

「家の周りにマンドリンを扱っているお店がない」という人もいると思います。
そういった方は、専門店のオンラインショッピングでユーズドの楽器を買うといいですよ。

たとえばイケガクさんであれば【おうちで試奏】といったような、自宅で試奏可能なサービスとかをやってるはずなので、楽器の状態を確かめてから購入することは可能です。

他にも専門店はありますが、基本的に調整されている楽器が売られているケースがほとんどだと思うので、専門店のオンラインショップで中古楽器を買うのもいいと思います。

攻めたい方はヤフオク、メルカリなどのフリマアプリもアリ

先に述べたようなポイントを自分で判断出来たり、楽器の相場感やちゃんとした製作家の楽器であるか、ということを知っている人は、ヤフオク、メルカリなどのフリマアプリで買うのはアリだと思います。

やはり圧倒的に【安く】楽器を買えるのはこういったツールで買うしかないですね。ちなみに僕もマンドリン一年目の時はヤフオクで買いました。

野口のエントリーモデルだと思いますが、2万円で落とせました。一生自慢したいと思います

譲ってもらうのもいいかも

ある程度マンドリン奏者の知り合いが増えてくると、「新しく楽器を買いかえるから~」みたいな感じで安値で譲ってくれることもあると思います。

多分騙されるとかはないとは思いますが、一応先に述べたポイントを確認してみてから譲ってもらうかどうかを判断したほうがいいと思いますね。(譲る側も、リブの割れなどに気付いていないケースもあるので)

まとめ

こんな感じで中古のマンドリンを買う場合に気を付けたほうがいいポイントなどをまとめてみました。

中古市場の相場感やオススメの製作家などもまとめようと思いましたが、面倒くさくなってきたので別の記事にします。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

メニュー

マンドリン

マンドリンのテクニックや楽曲など様々な情報を知りたい方はこちら

クラシックギター

クラシックギターのテクニックや楽曲など様々な情報を知りたい方はこちら

音楽全般

クラシック音楽を中心にいろいろ語っています

お知らせ

演奏会情報などはこちらへ!

最新の記事

運営者

管理人・ライター

坂口

2000年、北海道生まれ。

北海道大学入学後、北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」に入部したことをきっかけに、マンドリン、クラシック音楽を本格的に始めました。マンドリン、クラシックギターを吉住和倫に師事。

アウロラの第98代コンサートマスターとして、またマンドリンアンサンブル・リデアなどで活動後、現在は札幌市内のマンドリンオーケストラであるフィラルモニカ・マンドリーニ・アルバ・サッポロにて演奏しています。

マンドリンやギターのメディア運営を通じて、音楽の面白さを伝えていきます。

ライター

小森

2000年、静岡生まれ。

16歳でクラシックギターを始め、北海道大学入学後、北海道大学チルコロ・マンドリニスティコ「アウロラ」に入部。アウロラ98代ギタートップ。
クラシックギターを深澤太一氏、吉住和倫氏に師事。これまでに大萩康司氏、菅沼聖隆氏、小暮浩史氏のマスタークラスを受講。2020年北海道アマチュアギターコンペティション6位、2021年同大会5位。

マンドリンアンサンブル・リデアで活動後、フィラルモニカ・マンドリーニ・アルバ・サッポロにて演奏しています。